2025-06-10
能登・珠洲市内視察
5月10日~11日に井本先生と学生で能登半島・珠洲市へゼミ合宿を行いました。今回は2グループに分かれて、1日目と2日目で交互に市内視察とスズレコードセンターでのお手伝いを行いました。ここでは、二つのグループが市内視察で体験したことについて紹介します。
【1日目:珠洲市内を海岸線沿いに北上】
1日目のグループ順路
・廃材集積所(ジャンボリー会場跡地災害ごみ仮置場)
・須須神社とキリコの倉庫
・北林さんのログハウス
・狼煙町:道の駅狼と煙禄剛埼灯台



グループの生徒に感想いただきました!
生徒1
市内には、家が崩れたままのところや瓦礫が残っている場所もあり、能登半島地震の被害の大きさを改めて感じました。続いて訪れた須須神社は、木々に囲まれていて、とても静かで神秘的な雰囲気のある場所でした。みんなでおみくじを引いたのもいい思い出です!さらに、狼煙町では禄剛埼灯台に行き、長い階段を登った先には広がっていて、能登の自然の豊かさをたっぷり感じることができました。実際に現地に行って、自分の目で見て、体験できたことで、学びの多いゼミ合宿になりました。
生徒2
製炭工場や公費解体の現場、仮設住宅など多岐にわたる場所を見学し、震災の現実を肌で感じました。移動中、ブルーシートで覆われた家や一階部分が押し潰された家も多く、復旧の進み具合を感じました。案内してくださった方の実家も外観は無事でも内部は住めないほどの被害があったと聞き、震災の影響で住む場所を突然失う現実を目の当たりにしました。
また、セルフビルドのログハウスを建てる北林さんの話が印象的でした。珠洲に第二の拠点を作り、アライグマからの生態系保全を目指す活動を行うため、慣れないセルフビルドを試行錯誤されていました。その姿に、地域のために自ら道を切り開いていく強さを感じました。制度の届ききらない分野に尽力されていることも、地域に根ざした新しい挑戦の形だと感じました。作業途中であったにもかかわらず、たくさんのお話を聞かせてくださり、本当にありがとうございました。



【2日目:珠洲市内を内陸に北上】
2日目のグループ順路
・廃材集積所(ジャンボリー会場跡地災害ごみ仮置場)
・北林さんのログハウス
・大谷地区の家屋の見学
生徒3
市内視察では西海さんにスズレコードセンター近くの街を案内していただきました。西海さんが所属している奥能登国際芸術祭の実行委員会事務所が海沿いにありましたが、地震の被害によりもう使われていないそうです。また、近くに震災前は栄えていた商店街があったのが、建物の復旧や地元の人達が被災地から離れていき、もうそこには地元の方の姿もなく、お店の営業もされていませんでした。
たしかに街を全体で見ると人通りもほとんどなく、1年半経った今でも復旧が全く進んでいない建物もあり、復旧復興の難しさを感じました。
生徒4
廃材集積所では、思ったよりも多くの廃材が集積されていて、震災被害の大きさを改めて感じました。特にジャンボリー会場跡地の仮置き場では、高さが約10メートルにも積み上がっており、その光景から被害の大きさを実感しました。
カエルさん(北林さん)のログハウスは、周囲の住民と協力しながら外来種のアライグマから生態系を守るためにセルフビルドで建てる拠点作りの新しい方法を目の当たりにしました。
大谷地区では補助金が出るうちに解体が進む一方、伝統的な能登の家屋を残そうと活動されている重政辰也さん(株式会社 重政保険事務所 専務取締役 兼 NPO法人外浦の未来をつくる会 代表)にお話を伺い、保険会社とは別にNPO団体を立ち上げた行動力から、地域の文化や暮らしを守る強い意志を感じました。
今回の市内視察を通して、能登半島地震の爪痕の大きさと、地域の方々が抱える課題、そして未来へと歩もうとする力強さを肌で感じました。崩れた家々や積み上がる廃材の山、営業を再開できない商店街——それらを目の当たりにし、震災が暮らしに与える影響の深さを改めて実感しました。一方で、以前とは違った形でも営業を再開しているお店や北林さん、重政さんのお話からは、珠洲であきらめずにつないでいこうとする強い意志が伝わってきました。
二日間にわたってご案内してくださった乙脇さんや、お話を聞かせてくださった北林さん、大谷地区で家屋の説明をしてくださった重政さん、ありがとうございました!!
タグ: ゼミ合宿、能登、5期生、6期生
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