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2026-02-06

ジャカルタインターンシップ

1月25日から28日の4日間、ジャカルタで行われた日本建築センターのインターンシップに井本研から3名が参加しました。

本インターンシップは、「サステナブル 住宅・建築・都市政策セミナー」の準備等の業務が主な内容でしたが、実際にセミナーを傍聴するという貴重な機会をいただきました。

セミナーでは、インドネシアの住宅や都市の主な課題として、①急速な都市化が進み、住宅や都市インフラの不足が深刻であること、②脱炭素・エネルギー効率向上への対応の必要性、③自然災害の激化や気候変動を踏まえた都市のレジリエンス強化の必要性が挙げられていました。セミナーの中では繰り返し「グリーンライフ」という言葉が聞かれました。インドネシアでは、「グリーンライフ」の考えの下、国全体の30%を緑地として確保するという規則を設け、都市開発で後回しにされていた緑を守る取り組みが行われているとわかりました。移動中の車中から街の様子を見ていると、熱帯気候ならではの鮮やかで濃い緑が街中を彩っている様子が印象的でした。また、ジャカルタ市街地は特にバスが発展しており、バス専用車線があり路面電車のように機能していた一方で、バイクや車の数がとても多かったことも印象に残っています。そんな世界トップクラスの交通渋滞を解決するために、日本企業がジャカルタ高速鉄道(地下鉄)の開発を続けており、TOD(鉄道やバスなどの公共交通機関の駅を中心に、住宅や商業施設、オフィスを集中させるコンパクトなまちづくり)の考えが取り入れられているという説明が述べられていました。国際機関と連携しながら、海外の事例を参考にインドネシアの社会状況や制度に合わせて開発する重要性を理解しました。

インドネシアの伝統的なフォーマルな装いとして「バティック」があります。幾何学模様や植物、鳥などが描かれており、それぞれに意味が込められています。上の写真の通り、セミナーでも、バティックを着ている方が多く見られました。

セミナー以外にも、セミナーの準備や現地のマンション・ホテルの視察等で数多くの学びがありました。

セミナー当日朝の受付業務では、私はインドネシアの企業の大学生と一緒に同時通訳機やノベルティを渡したのですが、そこでの交流がとても楽しく思い出の時間になりました。インドネシア語と日本語を教え合ったり、色んな話をしたり…。とにかく明るく、気さくに話しかけてくれる学生ばかりで、私もインドネシアの人柄が大好きになりました。また、インターンシップ三日目には、東急不動産インドネシアが開発を行ったマンション、サービスアパートメント、商業施設等の複合施設である「BRANZ Mega Kuningan」を視察させていただきました。マンションには「メイド室」と呼ばれる部屋があり、インドネシアの富裕層にメイド(お手伝いさん)の文化があることを知り驚きました。また、マンションは日本人や中国人が多く入居しているということで、インドネシアの人と日本人で好む香りが違うことから、フロアや場所に合わせて香りが分けられていることが印象的でした。

そして、インターンシップ最後の活動として、インターンシップ振り返りの発表の時間を設けていただき、セミナーに参加された日本の企業訪問団の方々や、東洋大学の志摩先生から講評をいただきました。特に志摩先生からは、「知見や技術面での上下関係はあっても、人として付き合っていく中での上下関係はない、本質は人と人とのつながり」「違うところを探すのではなくて、他の国と日本で同じところはどこか、という目線で見ることが大切」といった、発展途上国との関わり方について大切にすべきことを教えていただきました。

セミナーでの学びももちろんありましたが、インドネシアを訪れなければ分からなかった学びがとても多く、本当に貴重な経験になりました。ありがとうございました。

参加した他の学生の感想です。

(学生2)

本インターンシップでは、セミナーでの学びはもちろん、街中の光景や人との関わり、食文化などインドネシアの文化を肌で感じることができ、とても充実した時間を過ごさせて頂きました。セミナーではインフォーマル居住地やスラムなど住宅に関する課題や対策も多く挙げられていました。個人的には、視察に行った際に見た、スラムのような景観が広がる居住地の中に、高層マンション建っている様子がとても衝撃でした。今回のインターンシップを通して、ネット情報や日本にいるだけでは知ることのできない部分を良い点も課題点も、実際にジャカルタへ行ったからこそ、見つけることができて、本当に良い経験になりました。

(学生3)

今回のインターンシップでは、能登での活動を通して抱いた「制度と個人の接続」という問いを、ジャカルタの混沌とした熱量の中で深めることができました。セミナーで議論された住宅政策やインフラ整備といった「仕組み」の重要性を学ぶ一方で、現地の大学生との交流や「ゴトン・ロヨン」という相互扶助の精神といった「人の熱量」に触れ、両者が噛み合うことで初めて都市は機能するのだと強く実感しました。
特に、制度が完備された東京で「受益者」になりがちな自分を問い直し、能登やジャカルタの人々のように、自ら暮らしを動かす「当事者」として社会のプロセスに関わる重要性を学んだことは大きな収穫です。この実感を、自身の研究や今後の活動に繋げていきたいです。

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