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2021-03-07

福島県での現地調査

こんにちは。学部3年の勝俣碧、土川喬太です。

2021年3月7日に福島第一原発事故で被害を受けた地域に視察に行きました。福島を調査のフィールドにするにあたり現状を実際に見て感じることが目的です。いわき市から北上し南相馬市までレンタカーで移動しながら復興の現状や町の様子を見てきました。

それぞれの町の復興拠点や立ち入り制限がされているギリギリの所など、ごく一部かもしれませんが実際の町の現状を感じることができました。特に印象的だったのが大熊町にある大野駅周辺の町の様子でした。家や商店の前にはバリケードがあり、中に入ることはできません。さらに、屋根瓦は剥がれ落ち窓は割れ、草木が生い茂るなど、私たちの日常生活から想像することはできない光景がそこにはありました。

また、双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館にも行きました。ここでは、東日本大震災の被害や津波の恐ろしさ、原子力災害における避難など、当時の状況を映像や資料を通して知ることができました。震災から約10年が経ち、復興が進んでいるところもあれば、進んでいないところもあり、福島は進んでいないところが多くあるように思いました。今回の視察から、さらに福島の原子力災害について調べ、復興に貢献できるような研究を進めていきたいと考えています。

屋外, 建物, 橋, 曇り が含まれている画像

自動的に生成された説明

▲ 東日本大震災・原子力災害伝承館

また、3月8日には勝俣の研究のフィールドを決めるために大内宿、前沢集落、水引集落に行きました。

大内宿では、町並み展示館で集落の歴史や家屋についての情報を知ることができました。現在、水路は2本あるのですが、昔は1本で、利便性を図るために2本に分離させたということもわかりました。漬物屋さんでは、現在と昔の水路の水の使い方についてお話を伺うことができ、水路の使われ方の変遷についてさらに興味が湧きました。蕎麦屋さんでは、大内宿で有名なネギ蕎麦は実は昔から食べられているものではないことを知りました。テレビで放送されてしまい、メニューに入れるしかなかったとおっしゃっており、噂から作られた特産品でした。観光地になるとこのように実際とは異なる農村像が作られてしまうということを知り、他にも作られた農村像があるのではないかと興味を持ちました。

▲ 大内宿の街並み

前沢集落は雪が積もっており、ほとんど水路は見られませんでした。集落の背面の山中からの湧水が水路となって集落の古道に沿って流れ、舘岩川に繋がっているのですが、近くに川があるのに山の湧き水を引いている理由や、普段や災害時の水路の水の使い方などについて調査してみたいと考えました。

水引集落では、水路の使い方について住民の方にお話を聞くことができました。大雨の時は水を堰き止めて川に流していて、災害が起こらないようにうまく水をコントロールしているということを知りました。自分が住んでいる場所では水道水の利用だけなので、自然水を利用している地域の水の使い方や付き合い方について研究していくことで、何か新たな発見があるのではないかと感じました。

この現地調査に行って、この3つの集落をフィールドとして調査していこうと決めました。

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