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2021-05-24

釜石市両石町での現地調査

先月末、感染症対策に留意しながら岩手県釜石市両石町へ初めて視察に行きました。両石町は、北上駅から車でおよそ2時間かかるところにある小さな漁村集落です。V字型をした天然の良港と言われている一方で、東日本大震災ではその形状から大きな津波被害を受けました。

今回両石に訪れたのは、漁師小屋について調査するためです。震災前後での漁師小屋の役割に興味を持ち、漁を生業とする方々の被災後の生活や漁業の復旧、漁村集落での今後の復興計画に役立つ研究がしたいと思ったからです。

去年建設中だった防潮堤は完成し、嵩上げ整備がされた国道45号沿いには防災集団移転による住宅が建ち並んでいました。漁港の近くには漁師小屋の他に、小さな釣具店や船を修繕する工場があり、震災を想像できないほどの穏やかな波と静かな町という印象を受けました。

まずは、現地の代表の方から漁師小屋についてお話を色々と伺いました。仮設住宅期での漁の行い方、現在漁師小屋を所有している方の共通点などインタビューを通して色々と知ることができました。主な漁獲物はウニやアワビ、わかめですが、これからの季節はタコも獲れるそうです。

次に、漁師小屋を訪れました。海とは無縁の環境で生まれ育った私にとっては、漁師が使用している船や機械、道具などを実際に見ることができ、少しわくわくしました。見学した2つの小屋内は、それぞれ生活感のある空間と作業空間が見られ、中の様子が全然違うことが分かりました。また、小屋周辺では組み立てたパイプに屋根を取り付けて作業空間を延長させている様子も見られました。

限られた環境下での貴重なインタビューから興味深いお話や調査結果が得られたので、引き続き研究を進めていきます。

漁師小屋の様子
右端には上屋(アワビの選別をしたり、組合を通して業者にホタテを売ったりする場所)が見える。
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