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2021-09-23

釜石市両石町での現地調査

先月末、感染症対策に留意しながら岩手県釜石市両石町へ2回目の現地調査に行きました。両石町には1週間ほど滞在し、漁師の方を中心に数名にインタビューを行いました。

今回は、震災が漁師や漁師小屋に与えた影響を明らかにするという目的で、居住実態や漁業形態、漁師小屋の変化について調査を行いました。数年間、遠い地区の仮設住宅から両石へ漁に通っていたのだから、仮設期の居住実態が漁業や漁師小屋に何かしら影響を与えているのではないかと思い、現地へ向かいました。

しかし現地で調査を進めていくうちに、実際は仮設期の居住実態というより、仮設期に行われた復興事業による工事が漁師小屋に与えた影響が大きいと分かりました。両石の漁師の方々は、宅地などの整備によって漁師小屋を移動させながら、漁を継続していたそうです。

ここでの漁師小屋とは、復興庁から貸与されたテントの他に、自力で建てた簡易的な小屋や個人で購入したプレハブのことも指しています。震災後すぐに改修された共同倉庫や復興庁によるテント以外にも、漁業の復旧につれて増えた漁具をしまうための空間を自分たちで整備していたそうです。現在、一部の漁師小屋には、漁具をしまう倉庫としての使われ方以外にも、周辺で小さな畑を耕して野菜を育てていたり…趣味のための使いこなしも見られました。

復興庁から貸与されたテント

今後は、東日本大震災後のまちの復興の変遷とともに漁業がどのように復旧していったのか、震災後の漁師小屋の変化の実態についてさらに深掘りしていきたいと思います。

また、今回のインタビュー経験を生かして、次回はもっとより良いインタビューができるよう準備を進めていきたいと思います。

<おまけ>
船に乗せてもらいワカメ漁をしている様子を遠目ながら見学したり、テント内でウニの収獲に向けて準備する様子を見学したりしました。百聞は一見に如かずというように、実際に見ることで何の機械をどう使って漁をしているのかより深く理解することができました。そのため、インタビューでは想像しながらお話が聞けました。
最終日には、穴子(天ぷらでしか見たことなかった)や水タコも実際に見せてもらいました。私事ですが、素手でタコを持ち上げたときの感触は一生忘れられません。

ウニを収獲するための漁具を作っている様子
滑ってなかなか捕まえることができず、下に落としてしまった水ダコの様子

<最後に>
この時期に快く案内をしてくださった両石の皆様、温かい心遣い本当にありがとうございました。

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