外国人集住団地における多様な居方の調査について

学部4年の武田です。現在私は、居住者の半数以上を外国人が占める「川口芝園団地」を対象に研究を行っています。もともと私が暮らす地域にも外国人が多く、異国である日本において、彼らが自身の文化を少しずつ空間に滲ませながら暮らす姿に興味を持っていました。中でも芝園団地は、多国籍なコミュニティが形成されている一方で、メディア等で様々な側面が取り上げられる場所でもあります。実際の共有空間で人々がどのように過ごしているのか、自分の目で確かめたいと考え、フィールド調査を始めました。
芝園団地特有の居住者と空間活用


初めて現地を訪れた際、他団地とは異なる独特な広場の使われ方や交流の様子に衝撃を受けました。飛び交う言葉は中国語をはじめとする多様な外国語が中心で、子どもたちが広場で楽しそうに駆け回り、周辺では親たちが立ち話に夢中になっています。私はそんな彼らの「居方」に魅力を感じました。アジアンマーケットの前に持参した折りたたみチェアを並べて談笑するグループや、広場の階段に腰をかけて話す男性たち、植え込みの縁に座り読書する人など、そのほとんどが外国人居住者です。一方、日本人居住者は高齢者の方々が多く、彼らの賑やかさに程よい居心地の良さを感じているのか、ベンチからその風景を穏やかに眺める姿がちらほら見受けられました。
他団地と比較すると少し特殊にも思えるこの光景こそが、芝園団地特有の面白さだと捉えています。そしてその面白さは、外国人居住者たちの「たくましさ」や生活の知恵から生み出されていると考えています。彼らは異国である日本でも母国での過ごし方を自然な形で継続しており、日常空間の中で「隙」を見つけるのが非常に上手です。調査を通して、日本人はベンチなど「あらかじめ用意された場所」に滞留する傾向があることにも気づきました。しかし、外国人居住者の「居方」には定型パターンがなく、立ち止まりたい場所で留まり、収まりの良い段差や縁に腰をかけます。この両者の対比が、空間の使われ方をより興味深いものにしていると考えられます。
マッピング調査の手法と視覚的な記録


現在は団地内の広場やピロティ空間において、このような多種多様な「居方」のマッピング調査を実施しています。方法としては、11時、15時、17時など決まった時間に特定のルートを10分間隔で巡回し、人々の「居方」を地図上にプロットしていくというものです。対象者は「子ども」「大人」「高齢者」の3つの世代に分け、さらに国籍を推測して分類・記録しています。
また、本調査ではありのままの「居方」を記録するため、無人の団地空間の写真上に、現場での観察記録を後から人物のシルエットでイラストに書き足すという手法を採用しています。年代ごとに色分けしたシルエットを写真上に配置することで、「誰が、どの段差や柱を使い、どのような姿勢で空間に馴染んでいるのか」というリアルな空間活用を、より鮮明に記録しています。
今後の展望
マッピングや視覚的な記録を重ねるにつれ、年齢層や国籍の違いだけでなく、日差しの変化といった環境との関係性など、様々な観点から考察が深まっています。今後は、お盆休みや季節ごとの変化も視野に入れながら長期的に調査を継続し、多様な人々が共生する団地の豊かな空間活用について探究し、卒業論文に繋げていきたいと考えています。











