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2021-08-14

井本研を選んだ理由 土川喬太編

こんにちは。土川喬太です。

今回は井本研究室を選んだ理由と研究テーマについて書こうと思います。

私が井本研究室を選んだ一番の理由は主な研究テーマに災害復興があったからです。東日本大震災が発生した時、私は小学五年生で神奈川県に住んでいました。私自身被災地出身ではなく、親戚に被災した人がいるわけではありませんが、当時の地震はとても衝撃的で今でも忘れられず記憶に残っています。地震が起こった時は下校中でした。急いで自宅に帰り、今は懐かしいガラケーのワンセグで最初に見た映像は津波が仙台空港を襲っている瞬間でした。地震発生の翌年の夏、私は岩手県の陸前高田に行きました。その時はまだ復興どころか山積みの瓦礫と津波に流されずに残った頑丈な建物だけしかありませんでした。本当に人が住んでいた場所なのか疑うほどの光景でした。

私は小学生の頃から建築士になって家を建てたいと漠然と考え、建築学科に進学したのですが、大学3年生になり研究室や進路についてより細かく考えるようになりました。もともと設計が好きだったので意匠・計画系の研究室がいいと思っていたのですが、どんな設計がしたいかを考えた時に、建築単体だけではなく都市の特性や背景を深く調べ、設計に生かしたいと思いました。さらに、前述した通り災害復興にも興味があったので、地域デザイン研究室であり、災害復興をテーマの1つにしている井本研究室にとても魅力を感じ、第一志望にしました。

井本研究室に配属されてからは東日本大震災について調べ、その中でも福島の原発事故で被災した地域について興味を持ちました。震災から10年が経ち復興が進んでいるように思われがちですが、福島の現状については知らない人の方が多いのではないでしょうか。

現在は各地に復興の拠点が作られ始め、町民が帰還するための整備がされています。しかし、未だに立入禁止区域が設定されていたり、立入禁止が解除されても、荒廃した町がそのままになっていたりします。そこで私は「原発事故被災の町の風景再生計画」というテーマで卒業制作に取り組んでいます。見えない放射性物質に故郷を奪われた人々の悲しみや苦しみは、被災してない私には完全に分かり合うことはできないかもしれませんが、この卒業制作を通して福島の復興の現状と、原発事故による原子力災害について何か発信することができればいいなと思っています。

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