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2026-06-08

千早4丁目 展示会に向けて

2026年5月16日〜26日の期間、豊島区千早四丁目を対象とした展示会を開催いたしました。本記事では、展示会が形になるまでの約半年間にわたる準備プロセスを、千川プロジェクトメンバー5名の歩みとともに振り返ります。

​私たちのプロジェクトは、2025年12月14日に実施した千早四丁目でのフィールドワークの事前準備から本格的に始動しました(※当日の詳細は2026年1月17日掲載の記事をご参照ください)。このプロジェクトの背景にあるのは、東日本大震災を契機とした都市計画道路の拡張と、それによって姿を変えていく街の風景です。私たちはまずミクロの視点から街を捉え、大学の図書館や豊島区立郷土資料館で文献調査を行いました。過去と現在の地図を比較して立ち退き前後の変化を把握し、地名や学校の変遷などの歴史的背景をリサーチしました。こうした事前の情報収集は、単なるデータ集めではなく、現地でのインタビューや、地域住民・町内会の方々との対話において、より深いお話を伺うための発話のきっかけを掴むためのものでもありました。

調査を重ねる中で、激変していく都市のかたち(ハード)と、そこに息づく人々のつながり(ソフト)の双方に、時代を経ても「変わるもの」と、決して「変わらないもの」が確かに存在していることに気が付きました。本展示会は、千早四丁目の記憶と未来を5人で紡ぎ出した成果の場となりました。続くセクションでは、具体的な準備の裏側や展示のプロセスについて詳しく紹介していきます。

写真

 準備段階では、展示方法について試行錯誤を重ね、様々な方法を試しました。最終的には写真を天井から吊り下げる形式を採用しました。また、写真は光をやわらかく透過する紙に印刷することで、温かみのある空間を演出しました。写真を吊り下げる高さについても検討を重ね、来場者の動線の妨げることなく、適度な高さで写真を手に取りながら鑑賞できるように調整しました。

インタビュー

 町内会、睦会(千早四丁目に住んでないが、お祭りなどの行事の運営に携わる人々)に所属する6名の方にインタビューを行い動画にまとめました。希薄な人間関係が社会課題となる今、改めて「地域の繋がり」を見つめ直すきっかけになればと思い、インタビューではベテランから若手まで、職業もバックグラウンドも異なる方々にスポットライトを当てました。彼らが町内会の活動に関わったきっかけ、関わり方の度合い(コミット具合)は本当に様々です。「なぜ、いま町会なのか?」、「お祭りが私たちにくれるものは何か?」、「町内会の活動はボランティアにも関わらず、どこからその情熱が沸いているのか?」など、祭りの喧騒の裏側にある思いと、次世代へ繋ぎたい街のビジョンを共有していただきました。

地図

 私たちは、学校や商店、住宅、道路など、地域の変化を把握するために、ゼンリン住宅地図を2〜3年ごとに遡りながら調査しました。その結果、都市計画道路の整備に伴って個人商店の立ち退きが大幅に進んでいることや、学校の統廃合の流れなどを視覚的に捉えることができました。また、年末に町内会の納会へ参加した際、住民の方々が地域の思い出や過去の出来事を熱心に語る様子を目にし、「文書に残らない個人の記憶を共有する場」の重要性を感じました。そこで、地図や資料には残らない住民ひとりひとりの記憶を共有できる展示を企画しました。
 展示では、1996年・2002年・2008年・2013年・2018年・2023年の6枚の地図を用意し、来場者の方々に地域での思い出や記憶をカードに記入していただき、それらを糸で吊るしていく形式としました。赤い糸は学校の統廃合や商店の移転・閉店など「変わるもの」を結び、青い糸は工場や公園など「変わらないもの」を結んでいます。展示開始時には1枚もなかった思い出のカードが、来場者の参加によって少しずつ増え、最終日には地域の記憶が数多く積み重なった展示となることを期待しながら準備を進めました。

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