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2021-08-14

井本研を選んだ理由 水越塔子編

私が井本研究室を選んだ理由は、大きく2つあります。

1つ目は復興デザインを主な研究テーマとしていること。2つ目は、チャレンジングな現地調査ができること。

まず、被災地の復興デザインに興味を持ったのは、大学1年生の夏休みにインカレサークルの合宿で東北へ訪れたことがきっかけでした。震災から10年経っているにも関わらず、津波で流された地域はまだ盛り土が造られている状態だったこと、鉄筋がむき出しになったアパートがそのまま残っていたことはかなり衝撃的でした。そんな経験もあって、津波被害を受けた地域での復興計画に役立つような研究がしたいと思うようになりました。

また、井本研はフィールドワークを基本理念としているぐらい、現地で得たことから地域を理解し、それを研究に生かすことを大切にしています。そのためには、現地で自分が何を得たいのか、しっかりと自分で考え抜いて調査することが重要です。コツコツと取り組む調査はなかなか大変そうだと感じましたが、現地調査を通して復興がどのように進められてきたのか、被災した現地の様子を肌で感じることができる貴重な経験になるはずだと思いました。

次に、私が今の研究テーマを決めるまでについて。

ゼミが始まってすぐの頃、まずは興味のあるワードの組み合わせとして「被災地×セルフビルド×住居」で文献調査を進めてきました。セルフビルドというと、キンタモンロイの集合住宅や蟻鱒鳶ルなどの建築から、現地の人の協働、マテリアル、構造などのイメージが湧くかもしれません。実際に私もその分野に興味がありました。しかし、文献調査をしていくうちに、災害公営住宅や仮設住宅のほかに、被災された方が自力で建設する仮設住宅など、さまざまな課題をもったままの居住実態があると学びます。そんな中で井本先生から、被災した漁村集落にある漁師小屋もまた、漁師にとって居住空間のような役割を持っていたり、漁師の方が自力で建てていることもあったり…震災後は自宅とともに再建する必要があるということを教えていただきました。そうした経緯から、1期生のフィールドを受け継いで、新たに漁師小屋について調査することを決めました。

これをきっかけに井本研に興味を持っていただけたら嬉しいです!

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